シアトルはクラフトビール愛好家にとってまさに楽園です。地元で愛され、旅行者もアクセスしやすい人気ブルワリーを5軒厳選しました。それぞれ個性あふれるブルワリーで、美味しいビールと共にシアトルの雰囲気を存分に味わってください。

パイク・パブ&ブルワリー (The Pike Pub & Brewery)
1989年創業の老舗ブルワリーで、場所はパイクプレイス市場のすぐ近くという絶好のロケーション。創業者フィンケル夫妻が手掛けたパイク醸造所は、クラフトビールブーム以前から地ビール造りを続けており、店内にはビール博物館も併設されています。観光名所に隣接し、交通の便も良いため、毎日多くの観光客と地元客で賑わっています。広々とした店内にはバーカウンターやテーブル席があり、壁一面にビールにまつわる資料が展示されていて、ビールの歴史を感じられる雰囲気です。
住所: 1415 1st Ave., Seattle, WA 98101
公式サイト: Pike Brewing公式サイト
おすすめビール: 看板商品「パイク・キルトリフター (Kilt Lifter)」は深いルビーアンバー色のスコッチエール。カラメルやトフィーの甘みとピート麦芽由来のスモーキーな風味が層を成し、同醸造所の歴代ベストセラーです。もう一つの人気ビール「パイク・スペースニードルIPA」は、シアトルのランドマークであるスペースニードル50周年記念に醸造されたゴールデンIPAで、柑橘や松の爽やかなホップ風味が特長です。どちらもパイク醸造所を代表する味わいで、お土産用に缶ビールも販売されています。
おすすめポイント: パイク・パブは観光で訪れやすい中心部にあり、市場観光の合間に立ち寄れます。クラシックな醸造設備やレトロな装飾に囲まれて飲むビールは格別で、ビール博物館の展示を眺めればクラフトビールの歴史も学べます。パイクプレイス名物のシーフード料理とも相性抜群で、シアトルらしい食とビールのマリアージュが楽しめるでしょう。
オールド・ストーブ・ブルーイング (Old Stove Brewing)
パイクプレイス市場内のマーケットフロントにある開放的なブルワリーです。大きな窓からエリオット湾を一望でき、夕暮れ時には美しいサンセットを眺めながらビールが楽しめます。2016年創業と比較的新しいブルワリーですが、「生産者と出会える場」をモットーに、敷地内で醸造したできたてのビールを提供しています。現在ではシアトル市内に合計3店舗を構えるまでに成長し、それぞれ個性的なタップルームを展開しています。パイクプレイスの本店ではピザやプレッツェルなどフードメニューも充実しており、観光客にも地元客にも居心地の良い空間です。
住所: 1901 Western Ave., Ste. A, Seattle, WA 98101
公式サイト: Old Stove Brewing公式サイト
おすすめビール: 看板のトゥー・プロングド・クラウンIPA (Two Pronged Crown IPA)はモザイクホップを贅沢に使ったノースウエストスタイルIPA。マンゴーやみかんを思わせるトロピカルな香りと爽やかな苦味が評判で、受賞歴もある自信作です。もう一つ、軽めで飲みやすいストリーカー・シトラ・ペールエール (Streaker Citra Pale Ale)も人気です。小麦を加えた柔らかな口当たりにシトラホップ由来の華やかな柑橘アロマが広がり、暑い日にもゴクゴク飲める一杯となっています。
おすすめポイント: パイクプレイス市場の新エリアに位置し、観光の途中にふらりと立ち寄りやすいのが魅力です。広々としたテラス席では潮風を感じながらリラックスでき、夕日を背景に乾杯すれば旅の思い出になること間違いなし。地元で受賞歴のあるIPAからフルーティーなサワーエールまで常時20種前後のタップが揃い、ビール好きも飽きさせません。マーケットで買ったシーフードを持ち込んでビールと楽しむ地元流の過ごし方もぜひお試しください。
クラウドバースト・ブルーイング (Cloudburst Brewing)
ダウンタウン近くのベルタウン地区、西部沿いの隠れ家的な醸造所です。創業者のスティーブ・ルーク氏は、大手ブルワリー「エリジアン」でヘッドブルワーを務めた経歴を持ち、2016年にこのブルワリーを独立開業しました。週替わりで新作ビールを次々と生み出すクリエイティブさが特徴で、その品質の高さからビアコンペでの受賞も多数。特にヘイジーIPAなどモダンなスタイルやラガーにも定評があり、開業からわずか数年でGABF(全米最大のビール品評会)でのメダル獲得や「年度最優秀醸造所」に輝く快挙も遂げています。
住所: 2116 Western Ave., Seattle, WA 98121
公式サイト: Cloudburst Brewing公式サイト
おすすめビール: 銀メダル受賞歴を持つハッピー・リトル・クラウズ (Happy Little Clouds)は、同ブルワリーの実力を象徴するアメリカンスタイル・ピルスナーです。ピルスナーらしいクリスプな飲み口に、ホップ由来の白桃や紅茶を思わせる繊細な香りが重なり合い、暑い日にも爽やかに楽しめます。
IPA好きには、その時々でラインナップされるユニークなヘイジーIPAも見逃せません。例えば、モザイクやストラタホップを駆使した期間限定のIPAシリーズはフルーティーでジューシーと評判です。「ノット・ア・サイエンティスト (Not A Scientist)」というヘイジーダブルIPAはGABFで銀賞を受賞しており、濃厚なトロピカル感が堪能できます。
おすすめポイント: 小規模ながら常に新しい挑戦を続けるクラウドバーストでは、訪れる度に新鮮な驚きがあります。パイクプレイスマーケットやウォーターフロントから徒歩圏内にあり、市内観光の合間に立ち寄りやすい穴場スポットです。店内は工場感あふれる雰囲気で、気さくなスタッフとの会話を楽しみながらビールを味わえます。フードトラックとのコラボやポップアップイベントも頻繁に開催されるため、シアトルのクラフトビールコミュニティに飛び込んでみたい方にぴったりです。
フリーモント・ブルーイング (Fremont Brewing)
地元民から絶大な支持を得るブルワリーで、シアトル北部のフリーモント地区に位置します。郊外にありながら観光客にも人気のエリアで、近くにはフリーモント・トロールやショップがあり散策がてら訪れるのに最適です。敷地内にあるアーバンビアガーデンは開放感抜群で、長テーブルが並ぶ屋外席では犬連れや子連れのファミリーもリラックスしてビールを楽しんでいます。「Beer Matters(ビールは大事)」を信条に掲げるフリーモント醸造所は2009年創業以来、環境への配慮やコミュニティへの貢献にも力を入れており、その姿勢も地元に愛される理由の一つです。
住所: 1050 N. 34th St., Seattle, WA 98103
公式サイト: Fremont Brewing公式サイト
おすすめビール: ホッピーファン垂涎のラッシュIPA (Lush IPA)は、シトラとモザイクホップをふんだんに使ったトロピカルな香りのIPAです。ライムやマンゴー、グアバを思わせる瑞々しい風味で、ワシントン州のビアアワードなど数々の賞に輝く人気作となり、今では年間を通じて楽しめる定番ビールになりました。もう一つのおすすめスカイ・クラーケン (Sky Kraken)はユニークな名前が目を引くヘイジー・ペールエール。白いオート麦を使用した柔らかなボディに、メロンやパイナップルのようなジューシーな香りが広がり、「一度飲めば虜になる」と評判です。いずれも缶のデザインも魅力的で、お土産に買って帰るファンも多いですよ。
おすすめポイント: フリーモント醸造所の魅力は何といってもその居心地の良さです。ビアガーデンでは地元の人々と相席になり、フレンドリーな会話が生まれることもしばしば。無料でお水やプレッツェルが提供されるサービスも嬉しいポイントです。観光で歩き疲れたら、ここで喉を潤しながら地元のビール文化に浸ってみてください。晴れた日には青空の下で、冬場はヒーターの効いた屋内で、それぞれ違った趣の中シアトル産クラフトビールを満喫できます。
レッドフック・ブルーラボ (Redhook Brewlab)
シアトル有数のナイトライフスポット、キャピトルヒル地区にある開放的なパブ兼醸造施設です。レッドフックは1981年創業のシアトルを代表する老舗クラフトブルワリーで、現在の大規模醸造所は郊外にありますが、新しい試みの場として2017年に市内へ戻ってきたのがここBrewlabです。
16タップを備えた店内では、小規模バッチの実験的ビールが次々と生み出され、将来の定番商品開発の試験場にもなっています。レンガ造りとモダンが融合した広々とした空間には大きなガラス越しに醸造設備が見え、常に何か新しいビールが仕込まれているワクワク感があります。さらに店内には地元で人気の日本人シェフ、中島翔太氏監修のピザ店も併設されており、本格的な薪焼きピザとビールのペアリングも楽しめます。
住所: 714 E. Pike St., Seattle, WA 98122
公式サイト: Redhook Brewlab公式サイト
おすすめビール: レッドフックといえばまずESB (Extra Special Bitter)。1980年代から愛されるフラッグシップの英国スタイル琥珀エールで、ホップの苦味は控えめながらカラメルモルトのコクとほのかなフルーティさが調和した飲みやすい一杯です。Brewlabではこの伝統的名作を現代風にアレンジした限定版が提供されることもあります。
また、創業の地「Ballard(バラード)」の名を冠したビッグ・バラード・インペリアルIPA (Big Ballard Imperial IPA)は、8.6%のしっかりしたアルコール感と松やシトラスの力強いホップ香が楽しめる西海岸スタイルのダブルIPAです。深みのあるモルトの風味が土台を支え、IPAファンも大満足の飲み応えとなっています。
おすすめポイント: キャピトルヒルの中心に位置し、周辺にはオシャレなショップや音楽スポットが点在するため、夜の街歩きついでに立ち寄りやすいです。Brewlabの広いテラス席や大型スクリーンはスポーツ観戦にもってこいで、試合の日には地元ファンで大いに盛り上がります。老舗ブランドならではの安定感あるビールから、新進気鋭のブリュワーによる冒険的なビールまで一度に味わえるのも魅力。シアトルのクラフトビール文化の過去・現在・未来を体感できるスポットとして、外せない一軒です。
参考リンク
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現地情報誌ライトハウス・シアトル「おすすめのクラフトビール&ブルワリー」(2024年12月23日) - 各ブルワリーの概要・住所情報
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ONE PINT「The Pike Pub & Brewery」現地レポート (2020年2月2日) - パイク醸造所の歴史と人気ぶり
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BREWPUBLIC 「Pike Brewing 新デザイン缶 発表」(2018年11月13日) - パイク醸造所の定番ビール(スペースニードルIPA、キルトリフター等)の紹介
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Old Stove Brewing メニュー(トーストタブ) - Two Pronged Crown IPAの説明
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Day One Distribution 「Cloudburst Brewing 特集記事」(2022年1月17日) - Cloudburstの受賞歴(Happy Little Clouds他)と限定ビール紹介
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Redhook Brewery 公式HP - フラッグシップビールESBの紹介
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Untappd - Redhook「Big Ballard Imperial IPA」の説明(ユーザー投稿)
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Pike Brewing Space Needle IPA 缶ビジュアル(BREWPUBLICより)
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Old Stove Brewing Two Pronged Crown IPA 缶ラベル(Blindtiger Design制作)
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Cloudburst Brewing Happy Little Clouds 缶写真(Untappdユーザー投稿)
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Redhook Big Ballard Imperial IPA 缶写真(Untappdユーザー投稿)