ケルシュ(Kölsch)は、ドイツのケルン(Köln)地域で生まれたビールスタイルで、その歴史は中世に遡ります。以下に、ケルシュの発展と特徴について詳しく説明します。
ケルシュの歴史
中世からの起源
ケルシュの起源は13世紀に遡るとされています。当時、ケルンの醸造所は様々なビールを生産していましたが、現代のケルシュに最も近いスタイルのビールが生産され始めたのは17世紀後半から18世紀初頭です。
19世紀の発展
19世紀には、ラガービールの普及に伴い、ケルシュの人気も高まりました。特に1870年代以降、ケルシュはケルン地域で広く飲まれるようになりました。しかし、20世紀初頭には、ラガービールの台頭により、その人気が一時的に低迷しました。
第二次世界大戦後の復興
第二次世界大戦後、ケルシュは再び人気を取り戻しました。特に1980年代には、ケルシュの生産が増加し、ケルン地域外でも広く認知されるようになりました。1986年には、ケルシュの名称と製法がケルン地域に限定される「ケルシュ協定」が締結され、特定の基準を満たすビールのみが「ケルシュ」を名乗ることができるようになりました。
ケルシュの特徴
ケルシュは、上面発酵で醸造されるエールビールでありながら、ラガービールに似た軽やかで爽やかな味わいが特徴です。アルコール度数は4.4%から5.2%程度で、淡い金色とクリアな外観を持ちます。香りはフローラルで、味わいは軽い苦みと穏やかな甘みが調和しています。
ケルシュの飲み方
伝統的なグラス
ケルシュは、「シュタング」(Stange)と呼ばれる細長い200mlのグラスで提供されるのが一般的です。このグラスの形状は、ビールの香りを楽しむのに適しており、冷たいまま飲みきれるサイズです。ドイツ版わんこそばみたいなイメージ。
こちらです。
飲み方のマナー
ケルンの伝統的なビアホール(ブラウハウス)では、ケルシュは「ケルラー」(Köbes)と呼ばれるウェイターが運んでくれます。ケルラーは、ビールが少なくなると自動的に新しいグラスを持ってきます。これを止めたい場合は、空いたグラスの上にビアコースターを置くことで合図します。
食事とのペアリング
ケルシュは軽やかで爽やかな味わいが特徴のため、多くの料理と相性が良いです。特に、ケルシュと相性が良い料理としては、ドイツの伝統的なソーセージやプレッツェル、燻製魚や軽いサラダなどがあります。
サラダも大きく、ボリュームがあります。
まとめ
ケルシュは、その歴史的背景と独自の製法により、ケルン地域を代表するビールとして愛されています。伝統的な飲み方や食事とのペアリングを楽しむことで、ケルシュの魅力を存分に味わうことができます。ケルンを訪れた際には、ぜひ現地のブラウハウスで本場のケルシュを体験してみてください。