No Beer No Life

アメリカ・ドイツ・日本のどこかに住んでいます。これまで飲んだビールの種類は1000種類以上。ビール、留学、旅行、ガジェットなどの情報を発信!

シカゴ留学日記

A. Lange & Söhneとゼンパーオペラ:時を刻む二つの伝統「ドレスデン旅行のおすすめ」

ドレスデンの華やかな舞台と、世界一流の時計ブランドが思いがけず出会った――そんなロマンあふれる物語を、A. Lange & Söhne(ランゲ&ゾーネ)とゼンパーオペラ(ザクセン王立歌劇場)の関係を通してご紹介します。読後には、ドレスデンに行ってみたくなること間違いなしです!

 

誕生は“舞台上空”の大時計から

1838年ごろ、ツヴィンガー宮殿のコレクションを管理していた時計職人ヨハン・クリスティアン・フリードリヒ・グットカエスは、ドレスデン新オペラ座(当時のザクセン王立宮廷劇場)に「壮麗かつ正確な時計」を制作するよう命じられました。舞台上空に据えられたのは直径160cmもの巨大な“五分時計”。ローマ数字の時刻と5分刻みのアラビア数字を大きなドラムで示す斬新な仕組みでした。

 

この時計の制作には、義理の息子フェルディナント・アドルフ・ランゲも深く関わっており、これこそがA. Lange & Söhne誕生の布石となります。1841年4月12日の初演では、その姿が「ドレスデンの頂点を極める技術の粋」と評され、大絶賛を浴びました。

時計技術の伝統を継承

 

1869年の大火で初代の劇場と舞台時計は焼失。グットカエスの弟子ルートヴィヒ・トイプナーらが再建プロジェクトを率い、当時の最先端技術を用いて第二代の舞台時計を完成させました。以降、トイプナー家と後継者たちが100年以上にわたって劇場の夜空に正確な時を刻み続けます。

 

この“段階的再設計”の歴史は、A. Lange & Söhneが創業以来守り続ける「伝統と革新の融合」を地で行くもの。舞台を支えた技術者たちの意志は、ランゲの時計作りに今も脈々と受け継がれています。

 

舞台時計が生んだ名作「ランゲ 1」

 

第二次世界大戦後の再建時に設計された第三代の舞台時計は、1985年からドレスデンの象徴として時を刻み続けています。その高い視認性と美しいギミックは、A. Lange & Söhneの代表作「ランゲ 1」の“アウトサイズデイト”表示にも影響を与えました。

 

1994年に発表された「ランゲ 1」は、左右非対称の文字盤配置と大きな日付表示を採用。このデザインには、舞台時計の「遠く離れた観客席からでも5分ごとの刻みを一瞬で読み取れる」視認性への敬意が込められています。結果、ランゲ 1はブランドの象徴的モデルとなり、世界中のコレクターを魅了し続けています。

 

この左上のところに見切れていますが、デジタル時計があります。

歴史を肌で感じるドレスデン観光へ

 

ドレスデンを訪れるなら、ぜひゼンパーオペラの公演や館内見学を予約しましょう。夜の舞台上空に静かに浮かぶ巨大な舞台時計は、まるで過去からのメッセージ。ゴールドの装飾や歯車が回る機械音など、A. Lange & SöhneのDNAが生まれた“原点”を肌で感じられます。

 

また、宮殿付属の数学・物理学器械群に残るトイプナー製の1/10模型も必見です。1980年代以降公開展示されているミニチュアと実物を比較すれば、その精緻さに心を奪われるはずです。

 

まとめ:時を超えた共鳴の物語

  • 1830年代:グットカエスとF.A.ランゲが舞台時計を制作

  • 1869年:トイプナーらが第二代を再建

  • 1985年:第三代が劇場再開とともに時を刻む

  • 1994年:ランゲ 1に五分時計のアイデアを取り入れ発表

 

舞台と時計――一見異なる世界ですが、ドレスデンでは180年以上、“時を刻む”という共通のミッションが両者を結びつけてきました。A. Lange & Söhneは、ここから受け継いだ“視認性”と“精度”へのこだわりを現代の高級腕時計に昇華しています。

 

この記事を読んで、「機械式時計の奥深さ」と「ドレスデンの歴史的ロマン」を同時に感じていただけたなら幸いです。次の休日は心の羅針盤をドレスデンへ――そんな旅を計画してみてはいかがでしょうか?

 

 

www.musachicago.com

www.musachicago.com

www.musachicago.com

www.musachicago.com

www.musachicago.com

 

-->