今回もホーネックがシカゴ交響楽団と共演。マーラーの交響曲第5番とモーツァルトピアノコンチェルト25番。かなり気合の入った演奏で感動。
モーツァルト、ピアノコンチェルト25番K.504
1786年、モーツァルト30歳の時に作曲されたピアノ協奏曲。今回はオーストリア人のTill Fellnerが演奏。
二年間で6作作られたピアノ協奏曲の連作を締めくくる第25番。この後のピアノ協奏曲は散発的に二作書かれただけ。モーツアルトのピアノ協奏曲の集大成ともいわれる。
ただ人によってはハ長調の明るさが単純すぎて深みがないといわれることも。まあこの華麗な明るい曲調がモーツァルトらしいといえばらしいのでおとなしく聞いていました。個人的にはモーツァルトらしくて悪くなかったと思うけど。
マーラー交響曲第五番
グスタフ・マーラー(Gustav Mahler、1860-1911)。オーストリア帝国(現チェコ)生まれ、指揮者としての評価も高くウィーン宮廷歌劇場(現ウィーン国立歌劇場)の音楽監督やウィーンフィルの指揮者を務めた。激しい指揮で有名。
10曲ある交響曲の中でも今回の交響曲第五番(1902)は絶頂期の作品として、マーラーの作品の中で非常に人気が高い。この時期は結婚、ウィーンフィル指揮者の辞任など彼の人生の中でも転機であった。
第一楽章で印象的なのはアウフタクトで始まる出だしのトランペットソロ。ベートーベンの5番にも使われた三連符がモチーフ。トロンボーンも堂々と鳴っていていい感じ。
葬送行進曲(葬儀において遺体を墓地まで運ぶ際の行進)と呼ばれ、全体に重々しく悲壮感が漂うイメージがあったけど思ったよりも暗くなくかっこいい。二楽章の終わりには金管パートも。3楽章はワルツっぽいところもあって親しみやすく、なぜかアルプスの少女ハイジをイメージさせる。
第4楽章はアダージェットと呼ばれ、Sehr langsam(非常に遅く)という演奏指示。結婚したアルマに捧げた愛の音楽であるとも言われています。ハープを使ったゆったりとしたメロディに霧のかかった湖のほとりが頭に浮かんできました。後で調べたら結婚すぐ後のマーラーは二人で過ごしながら湖のほとりでこの曲を作ったということで納得しました。
「ベニスに死す」(1971年)という映画で使われたことで有名になり、単独で演奏されることも。この映画がきっかけでマーラー人気に再び火が付いたといわれている。アダージェット自体が珍しいこともあり、アダージェットという音楽用語自体がこの第四楽章を指すこともあるそうです。
ホルンのロングトーンから木管ファゴットクラオーボエなど木管の掛け合い。軽快なメロディから最後は堂々とフィニッシュ。一番好きだったかも。演奏終わりとともに大喝采、スタンディングオベーション。やっぱりホーネクとCSOの相性はなかなか良い気がする。
スポンサーリンク
プログラム
Mozart Piano Concerto No. 25
Mahler Symphony No. 5
Honeck Conducts Mahler 5 - Chicago Symphony Orchestra
まとめ
今回もホーネックの指揮ということで聞きに行ってきました。初日だったこともあり多少の緊張感もありましたがそれがまたいい感じでした。最近よく聞きに行くけどやっぱりその中でも一番良かったかなあ。
↓応援よろしくお願いします!
こちらもどうぞ