毎日の充電から解放されたあたらしいスマートウォッチ,Matrix Power Watchの紹介です!
開発中のPower Watch 2 参照:https://www.powerwatch.com/
Matrix Industries
2011年にシリコンバレーで設立されたスタートアップカンパニー.創立メンバーはCaltechやMITなど有名大学のPhDや技術者の方々.独自に開発した高性能熱電材料を軸にして,様々なデバイスの開発を行っています.2017年に熱電材料を電源とするスマートウォッチPower watchをIndigogoを通じたクラウドファンディングによって発売しました.
こちらは発売が迫る第二弾Power Watch 2のPV
充電不要のスマートウォッチ
特にアメリカではかなり普及が進んでいるスマートウォッチ.しかし,常に問題として挙げられるのが充電間隔の短さ.Apple watchでもほとんど毎日充電しなければなりません.
そんな問題を一気に解決したのが熱電材料を使ったPower watch.熱電材料を用いて充電いらずのスマートウォッチの開発に成功しました.
熱電材料
熱電材料とは温度差から電圧を生み出す半導体の一種です.その長い耐用年数とメンテナンスいらずの特性からこれまで宇宙探査機の電源などに用いられてきました.
温度差があればどこでも発電できる反面,その効率の悪さからこれまで地球上ではあまり普及してきません.どこにでもある"温度差"というエネルギーをもとに有用な電気を作ることができる材料として長く研究開発が行われていて,将来的には独立したセンサー類(IoTへの応用)やエネルギーハーべスティングといった応用先が期待されています.
今回発売されたPower watchでは体温と外気温のわずかな温度差からスマートウォッチを動かすのに必要なだけの電力を作り出しています.材料の性能向上とデバイス側の使用電力の低下によって,熱電材料の電源としての利用に成功しました.
Power watch
参照:https://www.powerwatch.com/
満を持して発売されたこのPower watch.体温と外気の気温差だけで発電を行いほぼ半永久的な電力供給を売りにしています.初号機ということでまだまだ改善の余地はあるようですが,充電不要の謳い文句はかなり信頼できるようです.常にスマホと接続していても電池が切れることはほとんどありません.
機能として搭載されているのは歩数計や体温をベースにしたカロリー消費量計,歩数計などスマートウォッチとしては最低限のもの.ソフト面でのサポートはまだまだApple watchやSamsungのスマートフォンに劣ります.デザインも値段の割には高級感漂うとは言い切れませんし,画面が暗いといった問題も指摘されているので今後の改善に期待です.(第二弾が2019年中に発売予定)
クラウドファンディングのIndigogoから
もともとはクラウドファンディングサイトとしてKickstarterとならび有名なIndigogoで資金集めをし,熱電材料を使ったスマートウォッチの発売を行いました.集まった資金はなんと2億円近くにもなりました.
最近は日本でも注目を集めることの多いクラウドファンディングですが,アメリカでは新規事業の立ち上げや新たなアイデアを形にする方法としてかなり定着してきている感があります.こういった前進的な技術を用いた会社をしっかりと支えられるクラウドファンディングサイトができてきたことは消費者にも経営者にもありがたいことですね!
新作Power Watch 2
参照:https://www.powerwatch.com/
Power watchの新型となるPower watch2を現在開発中,Indigogoで先行受付中ということで興味のある人は覗いてみてください.前作からの進化はカラー画面,GPS, Notification, Sleep Tracking, Heart Rateなど盛りだくさん!これらの機能が加わり、よりスマートウォッチらしくなりそうな予感!
Power watchの発売以来ユーザーから寄せられたフィードバックをもとに大幅な改善がなされると考えられるので期待大です.
似たように飲み物の熱を使ってコーヒーを自動でかき混ぜてくれるマグカップなんかもあります!
まとめ
日本だと少し値段が張るところもありますが,充電という呪縛から解き放たれたPower watchは今後のスマートウォッチを変えていくかもしれません.性能の向上,デザインの刷新されたPower watch 2も今後注目です.
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