毎年恒例の世界大学ランキングが発表されました.気にしてないふりをしてもなんだかんだランキングに引っ張られがちですが,問題点も理解したうえであくまで参考程度に使うようにするのがいいと思います.
毎年恒例の世界大学ランキング.日本国内のニュースでも取り上げられることもありますね.
有名どころはTHE(Times Higher Education),QS Ranking(QS World University Rankings),上海交通大学(ARWU),US news(アメリカ国内)でしょうか.
先月発表されたのはTHEのランキング.ニュースでは東大がいくつ上がって...何位以上に日本の大学が...といったものが取り上げられてましたね.
日本政府はこのランキングをもとに100位以内に何校といった目標を掲げたりしています.このランキング,今回はどこまで意味があるものなのか,学位留学先を決める際にどこまで参考にしていいものか見ていきたいと思います.
算出方法
まず見ておきたいのが算出方法.ランキングという名前に惑わされがちですが,評価項目は学生対教員比,論文引用数,国際性,評判調査など多岐にわたります.
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そしてこの重みが各社によって,また年によって変わることが問題です.
発表する側は注目を集めるためにドラマが欲しい.学校側はこの順位を高めることで入学者数を増やしたい,といった様々が思惑が絡むことで正確な実態をつかむのが難しくなっています.
どの程度参考になるのか
では全く参考にしなければいいのか.
個人的にはそうとは思いません.しかし,毎年の順位に一喜一憂する必要はないでしょう.
研究の評判(アンケート)という何ともあいまいな基準であれど,多少の相関はあるだろうし,ランキングに目を付けられないような学校で学位を取る意味はない(日本でやった方がいい)と思うからです.
また分野ごとに順位が大きく異なるのにも注意しましょう.大学ごとに力を入れている主力学科があるので,そこをチェックすることで自分のやりたいこととマッチしているかを確認することができます.
よく言われるのは分野で上位50位以内とか.(あくまで参考)これぐらいであればそれなりの施設とレベルが確保されていて,就職時にも多少大学名が効くかなといったところ.
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またもう一つランキング上位の学校を選ぶ理由として,留学中の心の支えになるということがあげられます.
つらい留学生活の中ではメンタルがやられることもあるでしょう(笑)
そんな時に世界のランキングでもこんなに高い環境なのだからこのくらい当たり前かと自分を納得させられるのと,まだまだ上があるのにこんなところでもやっていけないのか,となってしまうのではメンタルの持ちようが変わるからです.
ということで頭のいい人ほどランキングなんか関係ないと思いたがると思いますが,そんなに強がらず少しは参考にしてもいいかなとおもいます.
注:この参考にというのはこの学校がここより一つ上だからとかではなくて安定して上位にランクされるクオリティの高い学校かどうかというところです.
もっと大事なこと
”大学”というスケールで研究するよりも”研究室”という限られたスケールで研究するのですからランキングより大事なことがあるのは明らかです.特に理系は.
PIの研究力を評価するのはまた難しい話なのでそのうちまた整理したいと思いますが,簡単に挙げられるだけでも論文,研究スタイル,研究費などこれもまた評価しづらい.
自分の身近になるであろう環境のほうが大学のランキングよりも重視されるべきです.まあ当たり前ですが.
以下のようなサイトも参考になるかと思います.
日本の大学について
個人的な印象としては日本の大学の研究という意味でのランキングは順位より高いと思います.国際化や研究費という面では大きく引けを取るにもかかわらず上位に食い込む力があるのはまだ研究の地力があるからでしょう.
こちらに来て思うのは確かにアメリカのトップの教授の成果はすごいものがありますが,アメリカらしく幅が大きい(ピンキリ).学生のレベルもめちゃくちゃ頭いいのもいれば日本の高校生以下の問題も解けない生徒もいます.
は国こういった印象もランキング50位以内(東大,京大と同等以上)のランキングでないと研究におけるレベル内の大学に劣る可能性もあるという主張のもととなっています.
ただ論文数などの数値で落ちてきているのは明らかなのでしっかりとバランスをとって運営をしていかないと存在感の低下は防げないでしょう.
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まとめ
留学の際は大学という序列より,もっと自分に近い視点で中身を精査しないとこんなはずではなかったという結果になってしまうこともあります.とくに学部生はまだ研究に触れてない人も多いと思うので,今回扱ったようなランキングに惑わされすぎず,判断するように気を付けてみてほしいです.