世界的なヴァイオリニスト、イツァーク・パールマンがシカゴで演奏するとのことで久しぶりにコンサートホールへ行ってきました。令和の初日にふさわしい贅沢なコンサートでした。
イツァーク・パールマン
公式サイトhttp://www.itzhakperlman.com/
イスラエル、テルアビブ出身の20世紀を代表する指揮者、バイオリニスト。昔バイオリンを習っていた時には彼の演奏CDをお手本として先生からもらったりしていたのを思い出します。
今回のコンサートはもちろん彼が目当てでいきました。数か月前にチケットをチェックした時には完全に売り切れていたのに、直前になってもう一度見てみたら少し空きが出ていたので(後述のストライキのせい?)、少し高かったけど思い切って来ました。直接パールマンを見られる機会なんてそうそうないですしね!
もちろん好き嫌いは分かれると思いますが、そのテクニックは超一流。明るい音色と正確な演奏で難しい曲も簡単に弾きこなしてしまうところが魅力です。知名度もハイフェッツら亡き後の現代ヴァイオリニストとしては一番といってもいいくらい。もちろん彼の接しやすいキャラクターに加えて、レパートリーが多いこと、時代が合ったこと、ハンディキャップがあるというドラマ性によるプロモーションというようなさまざまな要素が重なってのことだとは思います。
活動が評価され父ブッシュ、クリントンから称号をもらったり、オバマ大統領の就任式でヨーヨーマとともに演奏をしたりアメリカでの評価は相当のもの。今後も楽しくバイオリンを弾いて世界中の皆さんにいい演奏を届けてくれるでしょう
ピアニストのKissinと二人というのも贅沢。数週間後にKissinのコンサートにも行く予定なので彼についてはまた後日。ヴァイオリンとのデュオにしては主張しすぎ なところもあったけどうまいから何にも言えない(笑)
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プログラム
今回のプログラムは以下の通り
Mozart Violin Sonata in D Major, K. 306
Brahms Violin Sonata No. 2 in A Major, Op. 100
Beethoven Violin Sonata in A Major, Op. 47 (Kreutzer)
Tchaikovsky (arr. Leopold Auer) Kuda, kuda vï udalilis (Lensky's Aria) from Act II of Eugene Onegin [ENCORE]
de Falla (arr. Fritz Kreisler) Danse Espagnole from La vida breve [ENCORE]
なめらかかつ軽快な弾きこなしと美しい音色は生で聞いてみないとわからない素晴らしいものでした。テクニックがありすぎるせい?でどの曲を弾いても簡単に聴こえる、明るすぎるといった印象もあったのですが、今回聞いてみた印象は一つ一つの音をかみしめて丁寧に弾いているということ。いい意味で明るくなりすぎず、ピアノとのソナタを通して、今までの彼の人生が詰めこまれた深い演奏が聴けて大満足でした。
そういう意味で今までの彼のイメージとはまた違った良さを感じられたのが今回の一番の収穫でした。まあ席が遠かったのもあるのかもしれないけど、やはり若いころの録音と比べたら力強さはそこまで感じられなかったのも確か。それでもアンコールははつらつと弾いていたので、全体の出力が小さくなったとしても、そういった弾きわけができる表現力がすごいのかもしれない。
全体をテヌート、レガート気味に弾くイメージももっていたけど、それだけたっぷりrichに弾いても重くなりすぎない、弓の使いこなしとかビブラートを含めた表現はさすがだなあとも思いました。ちょっとこれをきっかけにまたヴァイオリンやってみたくなりました(笑)
そしてなんといっても御年73歳にしてあれだけのパフォーマンス。2時間弾いてもダブルアンコールまで答える体力と熱量。ヴァイオリン、音楽への愛はとてつもないですね。比べるのもおこがましいですが、自分のやりたいことに取り組む姿勢はぼくも負けられないなと元気をもらいました。
ピアノとヴァイオリンだけなのでステージ席も用意されていました。Web pageにはステージ席に興味がある人は電話してくださいと書いてあったのですがきっと高いよね、、、
シカゴ交響楽団のストライキ
今年なかなかコンサートに行けなかった理由としてシカゴ交響楽団がストライキを行っていたことが挙げられます。いくつか興味のあるプログラムはあったのですがなんと3月途中から4月いっぱいまでオールキャンセル。
その理由が給料、年金の交渉というから何ともアメリカらしい。$159,000(1700万円)でもやってられないらしい。1か月半のストって相当ですよ、、、
https://news.wttw.com/2019/04/29/striking-chicago-musicians-approve-5-year-contract
その結果賃金を大幅に上げることに成功したらしいです。なんと最低でも4年後までに年俸を$181,272(2000万円)まで上げることで合意したとのこと。世界トップクラスのオーケストラの一つなので高いとは言いませんが、交渉前は約1600万円だったのにそこから一か月もストをするとは、、、そしてこれだけの成果を勝ち取るシステムがあるのはさすがアメリカとしか言いようがない。まず日本ではないでしょうね、、、
ということで今回5/1ストライキが終わって最初の公演ということもあり、お客さんはいっぱいでした。
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まとめ
久しぶりにコンサートに来られました。パールマンの演奏を聴くことができてよかったし、今月はもう何回か来る予定なのでそれも楽しみです。令和最初の日にして非常に刺激的かつ大満足な一日になりました。パールマンありがとう!