CSOのコンサートマスターRobert Chenをソリストに,モーツアルトのバイオリン協奏曲.そのほかも聞きやすいプログラムだったので気楽に楽しめました.
Robert Chen
シカゴ交響楽団のコンサートマスターです.いつもは気の優しそうなおっちゃんだなあとしか思ってなかったけどさすがの腕前でした.
今回は指揮者なしで彼が合図を出したりする役でもあったので感想のところなどでは楽団員と目で合図をしたり仲の良さが垣間見えたのもよかったです.
彼がシカゴ交響楽団のコンサートマスターになったのはなんと1998年.だいぶ長くやっているようです.
生まれは台湾のようですが,小学生ぐらいのころにLAに移住.バイオリンは7歳から始めたようです.ぼくもそのくらいに始めたような気もしますが,頑張ればここまでなれるんだということを知らされました.Yash Hyphetuなど僕でも知っているような大物に師事.大学院では日本人のKawaさんにも師事していたようです.
これまではゲストのソリストが来ていて彼一人の演奏を聴く機会というのはなかったので今回しっかり聞くことができて良かったです.これからも応援していきます.
交響曲25番 イ短調
モーツアルトにしては珍しい短調の交響曲2曲のうち先に書かれたもの.短調は50曲くらいあるうちのたった二曲.
出だしは非常に有名.個人的には太鼓の達人のゲームを思い出してしまいます(笑)短調ではありますが,そこまでダークな感じがしないのもモーツアルトらしいところですね.
作曲はWienに滞在していた17歳の時.17歳で交響曲25曲も書いてるってどういうこと...ホルンが活躍することなどからハイドンの39番を参考にしているともいわれています.演奏終了後にもホルンには特に熱い拍手が送られていました.
ハイドンも影響されたドイツのSturm und Drangに影響を受けている時代でもあります.
ヴァイオリンコンチェルト第3番 ト長調
モーツアルトらしい明るさ全開のバイオリンコンチェルト.非常に聞きやすいですし,難易度もそこまで高くないのでバイオリンを習っていた人は弾いたことがある人も多いかもしれません.
こちらはモーツアルト19歳時の作曲.5曲すべてのバイオリンコンチェルトがこの年(1775年)に書かれています.特に3番はモーツアルトのヴァイオリンコンチェルトを代表する作品とされています.
ドイツのSturm und Drangの後はフランスのGallant Styleに影響を受けたモーツアルト.華美で繊細なGallant Styleの音楽をヴァイオリン協奏曲として表現することに没頭した結果がこの5曲のようです.
この後は交響曲を一休みしてディベルティメント(語源はイタリア語の「divertire(楽しい、面白い、気晴らし)」)やセレナーデ(屋外用)をたくさん生み出したことからも,影響の大きさがうかがえます.
ちなみに今回も演奏されたアイネクライネナハトムジークはセレナーデに分類されます.
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プログラム
Mozart Eine kleine Nachtmusik
Mozart Flute Concerto No. 2
Mozart Violin Concerto No. 3 (Strassburg)
Mozart Symphony No. 25
平日夜だったので学生券($15)でも一階でした.二階席がかぶってきているのでそこまでいい席ではないですが協奏曲だし比較的聞きやすい方でした.