Evgeny Kissin
モスクワ生まれ(1971年10月10日)で、ピアノは二歳からやっているらしい。11歳ですでにソロリサイタルをやっていたことからも分かるように、神童と呼ばれていたようです。
若いころから活躍していたこともあり、レパートリーも多く、超絶技巧といった曲目も得意としていましたが、近年はより内面的、瞑想的な性格を持つ作品にも取り組んでいます。いろいろプレッシャーとか、周りの見方が変わったりする中で、若いころから第一線で活躍し続けられるのはすごいです。
コンサートの受賞歴はそこまで多くはありませんが、グラミー賞を3度受賞するなど、世界でも人気、評価の高いピアニストです。プログラムの構成もあったと思いますが、技術を見せつけてくるわけでもなく、細かい音の質や曲の表現を丁寧に聞かせてくれて非常にゆったりとした気持ちになりました。アンコールで見せてくれたような、はつらつとした演奏ももう少し聞きたかったけどそれはまたいつかの機会に!
拍手が鳴りやまず、4度ものアンコール。
ショパン・ノクターン
一曲目はショパンのノクターンからの抜粋でした。全部で21曲ありますが、20歳から晩年まで制作時期が広いため、作風の違いや構成を感じることができます。今回演奏されたのはOp. 55 No.1, Op. 37, No.2, Op.62, No. 2。結構渋めの選曲だとは思います。有名なのは下記の二つ。
もっとも有名なのは夜想曲第二番変ホ長調 op.9-2。単にショパンのノクターンという場合この曲をさすことが多いです。クラシックを普段聞かない人でも聴いたら多分知っていると思います。
あとは最後から2番目で遺作にもなっている夜想曲20番嬰ハ短調が戦場のピアニストで使われたので少しポピュラーになりました。発表されていなかっただけで、作曲されたのは20代のときらしい。Lento con gran espressioneという名前でも知られています。(遺作のためタイトルが速度記号からとられています)こちらも聞き覚えがある方が多いのではないでしょうか。
Chopin - Lento con gran espressione (Nocturne in C sharp minor Op. post.) - Gabriele Toia, Piano
プログラム
Chopin Selected Nocturnes
Schumann Sonata in F Minor, Op. 14
Debussy Selections from Preludes, Book I
Scriabin Sonata No. 4
Schumann Träumerei from Kinderszenen [ENCORE]
Debussy Golliwog's Cakewalk from Children's Corner [ENCORE]
Chopin Grande Valse brillante in E-flat Major, Op. 18 [ENCORE]
Kissin Dodecaphonic Tango [ENCORE]