ニューヨークには、地元で愛され旅行者もアクセスしやすいクラフトビールのブルワリーが数多くあります。今回は、その中から5軒の人気ブルワリーを厳選してご紹介します。どのブルワリーも個性的な雰囲気とおいしいビールが楽しめるスポットばかりです。それぞれのブルワリーの概要やおすすめビール、住所、公式サイト、そして訪れるべきポイントをやさしい口調でまとめました。

ブルックリン・ブルワリー(Brooklyn Brewery)
ブルックリン・ブルワリーの看板ビール「ブルックリン・ラガー」。1988年創業以来の定番人気です。
ニューヨークのクラフトビール文化を語る上で外せない老舗がブルックリン・ブルワリーです(創業1988年)。ブルックリンのウィリアムズバーグ地区にあり、レンガ造りの建物と広々としたテイスティングルームは地元の人々や世界中のビールファンで賑わいます。醸造家ギャレット・オリバー氏のもと、「ブルックリン・ラガー」をはじめとするクラシックなビールから季節限定の実験的なビールまで幅広く提供しています。見学ツアーやテイスティングイベントも開催されており、観光客にとっても楽しめるスポットです。
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住所: 79 North 11th Street, Brooklyn, NY 11249
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公式サイト: Brooklyn Brewery公式サイト
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おすすめビール: Brooklyn Lager(ブルックリン・ラガー) – トーストやカラメルのような香ばしい麦芽風味にグレープフルーツのホップアロマが調和したアンバーラガー。世界的な賞を受賞した同社のフラッグシップです。軽めで飲みやすく、どんな料理にも合わせやすい万能選手です。もう一つ挙げるならBel Air Sour(ベルエア・サワー)という爽やかなサワーエールも人気です。
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おすすめポイント: ニューヨークのクラフトビール草創期から活躍するパイオニアであり、地元ブルックリンの誇り的存在です。ウィリアムズバーグの活気あるエリアに位置し観光で訪れやすく、週末には醸造所見学やフリーツアーも開催されています。テイスティングルームではここでしか飲めない限定ビールに出会えることもあり、ビール好きなら必ず訪れる価値ありです。地元常連客との会話が弾むこともあり、ニューヨーカーのビール文化を肌で感じられるでしょう。
アザー・ハーフ・ブリューイング(Other Half Brewing Company)
ブルックリン発のアザー・ハーフ・ブリューイングは、ビール好きの間で世界的に知られる存在です。2014年創業当初から最新トレンドのIPAを追求し、現在もその勢いは衰えていません。本店のあるキャロルガーデン(ブルックリン)では倉庫街の一角に位置する隠れ家的なタップルームがあり、一見無骨な外観ですが中に入ればフレンドリーなスタッフが迎えてくれます。ニューイングランドIPAなどホップをたっぷり使ったジューシーなビールで有名で、柑橘やトロピカルフルーツの芳醇な香りが楽しめます。熱烈な地元ファンが新作缶ビールを求めて行列を作る光景も珍しくありません。
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住所: 195 Centre St, Brooklyn, NY 11231 (本店。他にウィリアムズバーグ地区のDomino Park店、マンハッタンのロックフェラーセンター店あり)
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公式サイト: Other Half Brewing公式サイト
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おすすめビール: Green City IPA(グリーンシティIPA) – オーツ麦を使った柔らかな口当たりのヘイジーIPAで、シトラやシムコーなどのホップ由来のジューシーな柑橘フレーバーが特徴です。定番の人気商品で、同社のスタイルを象徴する一本です。また、限定醸造のBroccoli Double IPA(ブロッコリーDIPA)などユニークな名前と濃厚な味わいのビールも話題になります。
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おすすめポイント: ローカルにも熱狂的なファンが多数いるブルワリーです。マンハッタンからもアクセスしやすいウィリアムズバーグやロックフェラーセンターにもタップルームを展開しており、観光の合間に立ち寄りやすいのも魅力です。醸造所限定の缶ビールはパッケージデザインもおしゃれでお土産にも喜ばれます。店内ではスタッフがおすすめの一杯を優しく教えてくれるので、初心者でも気軽に最先端のクラフトビール体験ができます。
トーチ&クラウン・ブルーイング(Torch & Crown Brewing Company)
マンハッタンで唯一の大規模醸造所兼レストランとして注目を集めるのがトーチ&クラウン・ブルーイングです。元々はブロンクスで醸造を開始し、2020年にソーホー地区の現施設をオープンしました。おしゃれな店内とテラス席は週末ともなれば大勢のビール好きでいっぱいです。味わえるビールのスタイルも多彩で、ホップが香るヘイジーIPAから爽やかなサワーエール、夏向けのセッションエールまで幅広く揃っています。アルコール度数控えめで飲みやすいものも多く、ビール初心者から通まで満足できるはずです。
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住所: 12 Vandam St, New York, NY 10013
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公式サイト: Torch & Crown公式サイト
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おすすめビール: Almost Famous IPA(オールモスト・フェイマスIPA) – トーチ&クラウンの看板ともいえるニューイングランドIPA。桃やグレープフルーツを思わせる華やかな香りと柔らかな口当たりで、名前の通り「もう少しで有名」どころかすでに大人気のビールです。この他、季節限定のBlack Tie Porter(ブラックタイ・ポーター)などユニークなビールも登場します。
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おすすめポイント: マンハッタンのど真ん中で醸造体験ができる希少なスポットです。ソーホーという立地柄、ショッピングの合間に立ち寄る旅行者も多く見られます。併設のレストランでは食事とビールのペアリングも楽しめ、ニューヨーク産クラフトビールの新鮮さを存分に味わえます。「ニューヨークで造られたビール」を誇りに掲げるブルワリーだけあり、その土地ならではの活気と情熱を直に感じられるでしょう。事前予約制のブルワリーツアーやビール醸造設備見学も用意されており、ビール造りに興味がある方にもおすすめです。
タレア・ビア・カンパニー(TALEA Beer Co.)
ウィリアムズバーグに2021年創業したタレア・ビア・カンパニーは、ニューヨークでも数少ない女性経営のブルワリーです。創業者のタラさんとリアンさんは「苦いIPAとそれを愛するビール男子文化に尻込みしてしまった人たちにビールの楽しさを取り戻してほしい」というミッションを掲げています。そのため、アルコール度数控えめでフルーティーな「飲みやすいビール」を得意とし、サワーエールやフルーツビールを中心に展開しています。高い天井と明るい内装の開放的なタップルームはカフェのような雰囲気で、ビールが初めてという方でも気軽に入りやすい居心地の良さがあります。
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住所: 87 Richardson St, Brooklyn, NY 11211
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公式サイト: TALEA Beer Co.公式サイト
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おすすめビール: Peach Berry Punch(ピーチ・ベリー・パンチ) – ピーチとベリーを使用したフルーティーなサワーエール。甘酸っぱくジューシーな味わいでビールが苦手な人でも飲みやすい一杯です。もう1つ挙げるならSun Up Hazy IPA(サンアップ・ヘイジーIPA)。マンゴースムージーのようなトロピカル風味が楽しめるヘイジーIPAで、同社の人気商品です。
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おすすめポイント: 「ビール女子」にも優しい新感覚ブルワリーとして地元で評判です。ショップ併設の広々としたタップルームは、昼下がりにコーヒーを飲みに行くような感覚で訪れる人もいるほどリラックスできます。週末にはヨガイベントやフリーマーケットなどコミュニティイベントも開催され、地域に溶け込んだ雰囲気です。旅行者にとってもウィリアムズバーグ観光の途中に立ち寄りやすく、おしゃれな店内は写真映えも抜群。ニューヨークのお土産話として、女性醸造家が手がける特別なビール体験を加えてみてはいかがでしょうか。
ブロンクス・ブルワリー(The Bronx Brewery)
ニューヨーク北部、ブロンクス地区のクラフトビールシーンを牽引する存在がブロンクス・ブルワリーです。2011年にスタートした比較的新しいブルワリーですが、その人気ビールは今やニューヨーク市内各地のバーやスーパーでも見かけるほど浸透しています。本店タップルームはブロンクス区ポート・モリス地区の倉庫街にあり、裏庭に広がる「バックヤード」と呼ばれる屋外スペースが名物です。天気の良い日は開放的な空間でフードトラックの料理や音楽イベントとともに出来立てビールを楽しむ地元客でにぎわいます。またマンハッタン東村(イーストヴィレッジ)にも新店舗を構えており、有名シェフ監修のグルメバーガーとクラフトビールのペアリングが好評です。
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住所: 856 E 136th St, Bronx, NY 10454 (本店)
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公式サイト: The Bronx Brewery公式サイト
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おすすめビール: Bronx Pale Ale(ブロンクス・ペールエール) – 創業当初からの定番看板ビール。英国風のペールエールをベースにホップの香りを効かせ、バランスのとれたコクと苦みが楽しめます。クラフトビール入門にもぴったりの一杯です。また近年人気のWorld Gone Hazy IPA(ワールド・ゴーン・ヘイジーIPA)はトロピカルな香りあふれるニューイングランドIPAで、同社の新定番となっています。
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おすすめポイント: コミュニティ重視のアットホームなブルワリーで、地元ブロンクスのアートや音楽、料理とビールを融合させたユニークな体験ができます。観光客にとってはヤンキースタジアム訪問などと組み合わせて本店まで足を延ばすのも面白いですが、マンハッタンのイーストヴィレッジ店ならアクセスも簡単です。そちらではニューヨーク名物のグルメバーガーとクラフトビールの最高の組み合わせを気軽に楽しめます。ブルワリー自慢の開放的なバックヤードで地元の人々と肩を並べて乾杯すれば、きっとニューヨークの思い出がさらに豊かなものになるでしょう。
出典・参考リンク
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【1】NY Eater「The Best Breweries in New York City (2023)」
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【2】City Brew Tours「The 18 Best Breweries in New York City」
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【3】Brooklyn Brewery 公式サイト(商品説明)
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【4】Wikipedia: Brooklyn Brewery